2:30 PM - 2:45 PM
[32-13] Fundamental study on detoxifying method and fluorine recovery for electrolytes in lithium ion battery (part2)
司会:所 千晴(早稲田大学)
リチウムイオン電池(LiB)の電解液の無害化方法について,先の報告ではLiPF6の加水分解によりHFを気化させて有機溶媒と同時に回収する方法を述べた.本研究ではLiPF6の加水分解特性とCaF2回収についての検討結果を示す.水分添加量を変化させて調合電解液を加温したところ,少量の水分を添加したときに80°C以上でLiPF6は完全に分解することが分かった.一方,水無添加の場合には90°CになってもLiPF6は未分解のままであり,炭酸エステルの気化のみが進行した.これより,80°C前後におけるLiPF6の分解には水分の添加が必須であることが明らかとなった.気化した成分の凝縮液は,HFを含有する炭酸エステル類の混合液であるが,CaCO3を添加して中和反応を行い,フッ素成分をCaF2として固定化することを検討した.その際のCaCO3中和反応後の固形物を成分分析した結果,CaF2含有量は98%であり,PやSiなどの不純物をほとんど含まなかったことから,フッ酸製造原料として十分活用可能であることが示された.当日の発表では,気化したHFをCaF2として直接固定化する減圧気化システムについても述べる.
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