地球―宇宙資源探査 ～大規模データプロセッシング～

[36-04] Evaluation of background of heavy metals by GIS in the Hokuroku area , Akita Prefecture

^〇鹿 晴晴¹ (1. 東北大学)

鉱床地帯は熱水変質帯などの影響があり,自然状態(鉱山が開発される前)でも河川水中の重金属濃度が高い可能性がある.また,休廃止鉱山の廃水処理の環境に対する適正レベルと費用体効果としての適正レベルの両方を検討する必要がある.さらに,対策対象となっている鉱山の他にも,汚染源となりうる可能性の旧坑口や地表変質帯の露出などが想定される本研究では秋田県小坂町 小坂川流域,大館-小坂周辺域での現地調査を行い,GISを用いて小坂川流域を支流及び本流の各流域ポリゴンに分割し,そのポリゴンの最下流点や合流点で,河川水,河川底質試料などを採取を行い,分析を行った.またヒ素及び重金属類の物資収支を検討する環境アセスメント・シミュレーターを開発して,各地域のヒ素および重金属量の変動を説明できる定量的モデルを構築した.この結果季節変動を含めた重金属含有量の変動状況をモニタリングし,鉱床地域の重金属類(Cu, Zn, As)のバックグラウンドの把握と,適切な鉱廃水処理の浄化レベルの指針を得ることが可能となった.