リサイクリング

[C2-6] 溶融塩電解による超硬合金からのコバルト回収

^○春日錬¹, 市野良一², 神本祐樹³ (1.名古屋大学大学院, 2.エコトピア科学研究所, 3.エコトピア科学研究所)

司会:西須佳宏(産総研)

Keywords:溶融塩電解, 超硬合金

超硬合金は金属加工用の切削工具として工業において重要な役割を担っている。超硬合金はWやCoといったレアメタルによって構成されており、使用済み超硬工具のリサイクルが必要とされる。現行のリサイクル法として亜鉛処理法、湿式化学処理法が挙げられる。亜鉛処理法は精錬工程がないため超硬合金の予備選別が必要である。湿式化学処理法は工程が多く化学処理も必要でありコストが高いという欠点がある。そこで、簡易的なプロセスで超硬合金の構成金属の分離回収が期待できる溶融塩電解に着目した。溶融塩にWを溶出させて回収する研究はすでに報告している。本研究では、Coの溶出及び回収を目的とした。LiCl-KCl(59.2-40.8mol%)共晶塩を200℃で24時間乾燥し、Ar雰囲気で450℃まで昇温,・溶解させたものを電解浴とした。作用極に超硬合金を用いて定電位電解を行った結果、Wは溶出せず、WC粒子として回収できた。Coは溶出し、同時に対極でCoの析出が確認できた。ただし、対極の析出物は一部対極から剥離してしまった。また、CrやNi等の超硬合金添加元素は、作用極および対極の析出物両方に混入していた。今後は析出したCoの効率的な回収法の検討および不純物の分離が課題となる。