環境・エネルギー

[C5-3] 多孔質磁性酸化鉄吸着材の砒素吸脱着特性評価

^○篠田弘造, 中田有紀, 藤枝俊, 坂田和夫, 鈴木茂 (東北大)

司会:伊藤真由美(北大)

キーワード：砒酸イオン,交流磁場誘起発熱

塩基性溶液への溶解度をもつ鉄化合物粒子を原料とする溶解再析出反応を利用し作製した磁性酸化鉄ナノ粒子で構成される多孔質粒子は、大きな比表面積、水溶液中での高い沈降性を有する。この粒子を水溶液中での砒素吸着材として試用すると、10 mass %という高い砒素吸着特性を示す。容易かつ高効率に水溶液中へ脱着させられれば、吸着材の繰り返し利用および希薄砒素含有水からの濃縮回収が可能となる。本報告では、カラム流通式脱着試験を実施し、本吸着材粒子の砒素脱着特性を検討した。脱離液の流通により回収される砒素の対吸着量比は必ずしも高くなく、濃縮を目指した繰り返し流通では逆に再吸着が起こった。これに対し、脱離液の温度を上昇あるいは脱離中に外部から交流磁場を印加した場合には、脱離回収率の向上を示唆する兆候が見られた。