環境

[P-6] 選択吸着性フィルターへのレアメタルの吸着特性－その2

^○杉田創¹, 原淳子¹, 張銘¹, 駒井武² (1.独立行政法人 産業技術総合研究所, 2.東北大学大学院)

キーワード：レアメタル, 選択吸着性, 回収率, 通水吸着試験, 蛍光X線分析

前報にて，レアメタル元素12種（Li，Rb，Cs，Sr，Ba，B，Cr，Mn，Ni，Se，Sb，Mo）の混合溶液を用いた選択吸着特性を持つフィルター（住友スリーエム（株） エムポア^TM ディスクキレート）への通水吸着試験の結果を報告した。本報では，各レアメタル元素の単独溶液を用いた同様の試験を実施し，比較検討した結果を報告する。Li，Rb，Cs及びBについては前回の結果から定量あるいは検出不能であることが明らかになっているため，本研究では，レアメタル元素8種（Sr，Ba，Ni，Mn，Cr，Mo，Se，Sb）についてそれぞれ通水吸着試験を行った。また，試験溶液中のレアメタル元素の初期濃度は1，10 mg/L，通水量は0.1，0.2，0.3 Lとした。通水吸着試験の結果，レアメタル回収率はSr，Ba，Ni,及びMnについては全ての試験条件で100%であった。一方，Cr，Mo，Se，Sbの回収率はそれぞれ特異な傾向を示した。これは前述のレアメタル元素が液相中では陽イオンとして存在しているのに対して，後者は陰イオン（オキソアニオン）として存在していることに起因していると考えられる。