4:00 PM - 5:30 PM
[PY-34] ハイドロキシアパタイトとの共沈によるホウ酸の不動化機構
ホウ酸の不動化剤には様々な無機材料が検討されているが、その多くは不動化後の安定性や不動化速度が十分でない。ハイドロキシアパタイト(HAp; Ca10(PO4)6(OH)2)は溶解度積が極めて小さく、豊富な石灰系資源をCa源として活用できることから、実用的な不動化法として期待される。本研究では、石灰系資源のモデル物質として水酸化カルシウム (Ca(OH)2)を選び、リン酸とホウ酸を含んだ水溶液からHApとの共沈によりリン酸とともにホウ酸を不動化させ、その共沈機構について検討した。平衡状態およびそれに至る過程を含めた溶液分析と固相残渣の組成分析、XRDおよび11B-NMRの結果を総合的に考察すると、ホウ素はこれを成分とする沈殿ではなく、HApのPO43-およびOH-サイトにB(OH)4-として入る共沈、さらに分子状H3BO3は単位格子間の面に沿って挿入する可能性が示唆される。また、平衡に至る過程には、中間体として一時的に生成する四配位型のホウ素が生じ、HApのOH基と1座あるいは2座で錯形成している可能性が推定される。(企画講演でショートプレゼンテーション)
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