10:15 〜 10:30
[1102] PbBr2-KBr溶融塩と溶融鉛間の銀の分配挙動
司会: 月橋文孝 (東京大学)
キーワード:鉛熔錬, 銀, 分配係数
近年、非鉄製錬では有価金属のリサイクルのため、廃基板類が処理されている。廃基板には難燃剤として臭素が含まれており、処理量の増加に伴い、炉内で臭素と金属が反応して臭化物の溶融塩が生成することが考えられる。溶融塩が発生した場合、銀など有価金属の分配挙動が変わる可能性がある。しかし、溶融塩を含む系における貴金属の分配挙動に関する報告例はない。そこで本研究では鉛製錬の基礎データとして、臭化鉛-臭化カリウム系溶融塩と溶融鉛間における銀の分配比を973および1073Kで測定した。
本研究では、溶融塩相と溶融鉛間の銀の分配比LAgsalt/metalをLAgsalt/metal = (mass%Ag in salt) / [mass%Ag in Pb]で定義した。銀の分配比は溶融塩の組成によって変化し、0.08~0.11程度を示す。本実験ではBr2ガス分圧を規定していないが、溶融塩と合金の組成と熱力学データより算出された973、1073KにおけるBr2ガス分圧はそれぞれ、logpBr2=-10.3~-11.1、-9.6~-10.2程度であった。分配比の結果より、PbBr2やKBrを含む溶融塩が炉内に発生した場合、鉛相の銀濃度の1/10程度の銀が溶融塩相に分配されるため、銀の回収を考える上で溶融塩相の生成には注意を払う必要がある。
本研究では、溶融塩相と溶融鉛間の銀の分配比LAgsalt/metalをLAgsalt/metal = (mass%Ag in salt) / [mass%Ag in Pb]で定義した。銀の分配比は溶融塩の組成によって変化し、0.08~0.11程度を示す。本実験ではBr2ガス分圧を規定していないが、溶融塩と合金の組成と熱力学データより算出された973、1073KにおけるBr2ガス分圧はそれぞれ、logpBr2=-10.3~-11.1、-9.6~-10.2程度であった。分配比の結果より、PbBr2やKBrを含む溶融塩が炉内に発生した場合、鉛相の銀濃度の1/10程度の銀が溶融塩相に分配されるため、銀の回収を考える上で溶融塩相の生成には注意を払う必要がある。
講演PDFファイルダウンロードパスワード認証
講演集に収録された講演PDFファイルのダウンロードにはパスワードが必要です。
現在有効なパスワードは、[資源・素材学会会員専用パスワード]です。
※[資源・素材学会会員専用パスワード]は【会員マイページ】にてご確認ください。(毎年1月に変更いたします。)
[資源・素材学会会員専用パスワード]を入力してください