一般社団法人資源・素材学会 平成27(2015)年度 春季大会

講演情報(2015年2月24日付)

企画講演

亜鉛・鉛電解製錬の現状と課題および将来展望

2015年3月27日(金) 13:00 〜 16:20 第1会場 (千葉工業大学)

司会: 丹野文夫 (三井金属), 邑瀬邦明 (京大)

13:35 〜 14:05

[1110] 電解採取用陽極MSA®の開発と事業化

盛満正嗣1 (1.同志社大学)

司会: 丹野 文夫 (三井金属)

キーワード:電解採取用陽極, 酸化物被覆チタン電極, 酸素発生, ハイブリッド触媒, 副反応抑制

亜鉛、銅、コバルト、ニッケルなどの電解採取に用いる陽極として、混合酸化物からなる触媒層でチタン基体を被覆した電極MSA®を開発した。この電極の触媒層は、酸化イリジウムまたは酸化ルテニウムのナノ粒子がアモルファス構造の酸化タンタル中に分散されたハイブリッド構造であり、金属イオンを含む前駆体溶液をチタン上に塗布して焼成する熱分解法によって、自己組織的に形成される。この触媒は従来の同様な混合酸化物触媒に対して、酸素発生に対する触媒活性が10倍以上向上し、電解採取時に生じる副反応である、陽極上での金属酸化物の生成を抑制できる。また、鉛合金電極に比べて最大700mVの電解電圧の削減が可能である。この新規な電解採取用陽極はOutotec社によって製品化され、電解採取プラントでの実用化に成功した。本講演では、電解採取用陽極MSA®の研究開発の経緯とともに、その特性および現在の事業化の状況などを報告する。

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