環境

[1308] 亜ヒ酸含有製錬廃液からのバイオスコロダイト生成に及ぼすCu(II)の影響

森下志織¹, ^〇田中雅仁¹, 平島剛¹, 笹木圭子¹, 沖部奈緒子¹ (1.九州大学)

司会: 大川 浩一 (秋田大学)

キーワード：バイオスコロダイト, ヒ素, Acidianus brierleyi

世界的な銅資源の需要増加に伴う銅鉱床の低品位化・深部化により、銅製錬過程にて発生する多量のAs(III)含有製錬廃液の処理が課題としてある。製錬廃液中のAs(III)はその毒性の高さから、系内よりAs(III)を安定的に回収する技術の確立が急務である。当研究室では好熱・好酸性鉄硫黄酸化古細菌Acidianus brierleyiのAs(III)およびFe(II)の微生物学的酸化能を利用することにより、Fe(II) およびAs(III)をそれぞれ数千ppm含み、pH 1.0-2.0、温度 60-70^oCを想定した製錬廃液から微生物学的に結晶性バイオスコロダイト（FeAsO₄・2H₂O）を生成することに成功している。しかしながら、銅製錬プロセスによっては、廃液中にAs(III)、Fe(II)以外にも、Cu(II)が含まれる場合がある。その場合、Cu(II)の毒性による微生物の生育阻害や、およびバイオスコロダイト生成反応の阻害などの可能性が懸念される。そこで、本研究では、Cu(II)がバイオスコロダイト生成に及ぼす影響について、異なるCu(II)濃度を設定することで評価した。