環境、その他

[1319] ヒドロキシラジカルを生成しない条件下における新規UV LED光源による1,4-ジオキサンの光分解メカニズムおよび効率

環境

^〇阿彦優貴¹, 須藤孝一¹, 白鳥寿一^1,2, 鳥羽隆一^1,3, 井上千弘¹ (1.東北大学大学院 環境科学研究科, 2.イー・アンド・イー ソリューションズ株式会社, 3.DOWAエレクトロニクス株式会社)

司会: 篠田 弘造 (東北大学)

キーワード：1,4-ジオキサン, UV LED, 排水処理

1,4-ジオキサンは有機溶媒や安定剤として用いられてきた有機物であり，人体に対する毒性を有する物質である．2012年に水質汚濁防止法によって排水量基準が設定されたが，難分解性の物質であり，いまだ明確な処理方法は確立されておらず．AOPを用いた分解方法が多く研究されている．本研究では，1,4-ジオキサン水溶液に紫外線を照射することによって分解を試みる．光源としては，省エネルギーかつ水銀を用いない紫外光源(水銀に関する水俣条約への対応)であり，研究開発がなされているUV LEDを用いた．1,4-ジオキサン水溶液を調整し，2種類の波長のUV LED (265 nm，280 nm)および比較のための低圧水銀ランプから紫外線を照射したところ，1,4-ジオキサンが分解した．1,4-ジオキサンの分解に対する電力消費量は従来の低圧水銀ランプと比べてUV LEDが優位であった．また，UV LEDによる紫外線照射による1,4-ジオキサンの分解スキームは既往の研究によるものと異なることが示唆された．これは，既往の研究と本研究では分解メカニズムが異なることによるものであった．