鉱物処理

[2302] 微粉砕した硫化鉱物のマイクロバブル浮選に関する基礎的研究

^〇濱口祐士朗¹, 日下英史¹, 陳友晴¹, 楠田啓¹, 馬渕守¹ (1.京都大学)

司会: 三木 一 (九州大学)

キーワード：複雑硫化鉱物, マイクロバブル浮選, アミルザンセート, 抑制効果, 黄鉄鉱

複雑硫化鉱中の金属品位は年々低下の一途を辿っており、その低品位鉱から有用成分を効率よく分離するためには単体分離のための微粉砕が必要となる。当研究室では、このような超微粒硫化鉱物に対しマイクロバブル浮選を適用し、その適用可能性について検討を行ってきた。今回は、数μm以下の微粒な単体黄鉄鉱を対象にしてマイクロバブル浮選試験を行った。アミルザンセート（AmX）添加濃度6.3 ppm一定条件下において溶液pHが浮上率に及ぼす影響について検討した結果、pHが酸性からアルカリ性側に増加するにしたがって黄鉄鉱の浮上率は緩やかに減少し、pH 7.6以上に増加すると急激に低下する傾向が認められた。従来の通常浮選において水酸化物イオンによる抑制効果についてBarskyの関係に基づいて考察されるが、本マイクロばぶる浮選系においても、その関係に基づく臨界pH値が実験結果と良く一致していることが確かめられた。一方、pH 10以上のアルカリ性pH領域においては浮上率が増大に転じることが見出された。アルカリ性における表面酸化の影響と思われるが、それによる凝集効果がマイクロバブル浮選系では出ているものと推察される。