11:45 〜 12:00
[2310] 黄銅鉱と輝水鉛鉱の電気化学的表面処理に関する研究
司会: 日下 英史 (京都大学)
現在採掘されている銅鉱石(黄銅鉱)には、輝水鉛鉱が随伴する場合がある。この二つを分離するために浮遊選別法が広く用いられている。しかしこれらの鉱石は表面が共に自然疎水性を示し、分離するためには二つの鉱物表面の性状に違いを出す必要がある。そこで本研究では、電気化学的手法を用いて鉱物表面に酸化・還元処理を行い、黄銅鉱-輝水鉛鉱の表面濡れ性の変化について検討した。実験には鉱物電極を使用し、表面性状の観察、分析には接触角測定、X線光電子分光分析(XPS分析)を行った。実験結果より黄銅鉱は輝水鉛鉱と比較して導電性が高く、酸化還元反応が起こりやすいことが分かった。またpH 9に調整した10-3 M KCl溶液中で処理を行うことで、黄銅鉱表面にはオキシ水酸化鉄が、輝水鉛鉱表面には酸化モリブデン(VI)が生成された。さらに処理後の表面を水洗いすることで、輝水鉛鉱表面上の酸化物は溶解し表面が再び疎水性を示した。一方黄銅鉱表面は水洗い後も親水性を示したため、電気化学的処理と水洗いを組み合わせることで表面性状を変化させこれら鉱物を分離し得る可能性を見出すことができた。
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