一般社団法人資源・素材学会 平成27(2015)年度 春季大会

講演情報(2015年2月24日付)

一般講演

湿式素材プロセッシング

2015年3月29日(日) 09:45 〜 12:00 第1会場 (千葉工業大学)

司会: 佐々木秀顕 (東京大学), 谷ノ内勇樹 (東京大学)

10:30 〜 10:45

[3104] 銅電解スライムの塩化浸出に及ぼす塩酸,過酸化水素およびスライム濃度の影響

山上慶1, 三宅正男1, 平藤哲司1 (1.京都大学)

司会: 佐々木 秀顕 (東京大学)

キーワード:銅アノードスライム, 貴金属, 金, セレン

Au などの有価金属の抽出を目的に,銅電解スライムに対して塩酸と過酸化水素を用いた塩化浸出が行われている。本研究では,スライム量,HCl および H2O2 濃度を変えて浸出を行い,主にAu および Se の溶解挙動について調べた。HCl および H2O2 初期濃度を一定にし,スライム量を変化させた場合,スライム量の増大に従って Au および Se の浸出率は減少した。この時の浸出液中のAu および Se の溶解量は,スライム量が少ない場合は、スライム量の増大とともに増大したが,スライムが一定量を超えると減少する傾向が見られた。スライム量の増大によって Au および Se の溶解量が減少する理由は,溶解に必要な H2O2 が他の反応によって消費され,その消費量がスライム量の増大とともに増大したためと考えられる。HCl 濃度を増大させて同様の実験を行うと,Au の溶解量は増大したが,Se の溶解量は減少した。Au は塩化物錯体として溶解するため,HCl 濃度の増大とともに溶解量が増大する結果は妥当と言える。一方,HCl 濃度の増大による Se 溶解量の減少は,H2O2 の副反応による消費が増大したことが原因と推測される。

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