14:15 〜 14:45
[3503] ハンドヘルド蛍光X線分析装置を用いたスラグの定量分析
司会: 中西 哲也 (九州大学総合研究博物館)
キーワード:蛍光X線分析, ハンドヘルド, スラグ, 鉱山・製錬遺跡
ハンドヘルド蛍光X線分析装置(HH-XRF)は片手で操作できるピストル型の元素分析装置である。このため携帯性に優れており鉱山遺跡や製錬遺跡等、野外現場で鉱山関連の鉱石等を分析するのに優れている。中でも遺跡に残されたスラグの化学組成は金属生産の原料鉱石の情報を含んでいる。スラグを分析することによって、どのような鉱石が採掘されたかを知ることができる。またスラグの組成は製錬技術を考察するための基本データとなる。本研究では、遺跡現場でHH-XRFを用いてスラグ等の分析を行い据置型蛍光X線分析装置の結果や湿式分析の結果と比較し鉱山遺跡や製錬遺跡の性質をある程度特定できる指標となりうるか検討した。その結果、現場で測定したHH-XRFの値は、測定対象にどのような元素がどの程度含まれているかある程度の指標となることがわかった。しかし、測定値を測定対象の絶対的な値として使用することができないことも分かった。
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