最近の石炭等エネルギーの開発・利用の動向

[3310] Investigation of coal swelling caused by CO₂ injection into coal seam

^○飯野宏高¹, 菅井裕一², 佐々木久郎² (1.九州大学大学院工学府, 2.九州大学大学院工学研究院)

司会:三木一(九州大学)

Keywords:石炭, コールベッドメタン, CO2, 膨潤, 温度

CO2を炭層に圧入し、石炭マトリクス中のコールベットメタン（Coalbed methan, CBM）をCO2で置換することによってCBMを増進回収する技方法は、炭層を減圧して回収した後に採れ残ったCBMを増進回収することに加えて、CO2の炭層固定が可能であることから、期待されている。この方法においては、石炭マトリクス内でCBMと置き換わったCO2が石炭に吸着して、その体積を膨潤させることが知られている。地下において地圧を受けた状態の石炭が膨潤すると、石炭層内のクリートが狭められ、流体の浸透率が低下する。そのため、CO2の継続的な圧入が困難となり、CBMの増進回収も困難となる。この課題に対しては、例えば窒素を圧入して炭層内のCO2分圧を低下させて脱着させ、膨潤を開放して浸透率の回復を図る方法などが採られるが、窒素圧入中はCBMの生産は減退するため、効率的ではない。したがって、CO2の圧入を継続しつつ、圧入井周辺の石炭の膨潤を抑制する手法の開発が望まれている。本研究においては、CO2の吸着による石炭の膨潤に及ぼす影響因子を検討し、その膨潤を抑制する手法を考察した。