2:15 PM - 2:55 PM
[3815] Electrodeposition of Cu2O from Aqueous Lactate Solutions
司会:小俣孝久(大阪大学)
Keywords:電析, 酸化銅(I), 亜酸化銅, 化合物半導体, 電析機構
p型半導体材料である酸化銅(I)薄膜のカソード電析は、1980年代後半以降、広く研究されるようになった。p型酸化銅(I)薄膜とn型酸化亜鉛薄膜の積層デバイスは、ありふれた酸化物(ユビキタス酸化物)を組み合わせたp-n接合太陽電池として注目されている。また、酸化銅(I)電析は、電気化学振動が見られる系として、学術的にも興味がもたれている。酸化銅(I)電析には、乳酸、酒石酸、クエン酸などの配位子を含むアルカリ性の電解浴が用いられることが多い。演者のグループでは、乳酸を配位子とする電解浴を用い、浴のpHや電析電位(過電圧)が析出薄膜の配向性におよぼす影響を詳細に調べており、pH 10.0以下とpH 10.5以上の浴で配向性が明瞭に異なることを示している。研究としてはまだ途上であるが、本講演では、分光測定や電気化学測定、滴定など、いくつかの実験結果を紹介し、現時点で推定している電析浴中のCu(II)の乳酸錯体種や、錯体種と電析挙動の相関の考察など、四方山話を披露する予定である。
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