一般社団法人資源・素材学会 平成28(2016)年度 春季大会

講演情報(2016年2月29日付)

一般講演

環境

2016年3月28日(月) 09:15 〜 15:15 第3会場 (東京大学)

司会:別所昌彦(秋田大学), 沖部奈緒子(九州大学), 大川浩一(秋田大学), 晴山渉(岩手大学)

09:45 〜 10:00

[1303] 有機廃棄物の堆肥化に及ぼす製鋼スラグの添加効果

Tu Xuefei1, Aneksampant Apichaya1, 田中淳1, 西本遼1,福嶋正巳1 (1.北海道大学大学院工学研究院)

司会:別所昌彦(秋田大学)

キーワード:有機廃棄物, 製鋼スラグ, 堆肥化, 腐植物質, 熟成度

当研究室では、製鋼スラグ中の鉄酸化物がルイス酸として作用し、フェノール類、アミノ酸等腐植物質前駆体の縮重合反応を促進することを明らかにした。本研究ではこのような製鋼スラグの機能を、タラコ加工残渣など有機廃棄物の堆肥化に応用し、スラグの添加条件が堆肥中の腐植物質(HS)の分子量やC/N原子数比に及ぼす影響を検討した。堆肥の熟成度は、HSの分子量及びC/N比が低くなるほど高くなることが知られている。初期に製鋼スラグを添加した場合、HSのC/N比は大きく低下した。この結果は、タンパクなど窒素含有の高分子がリグニンフェノールに求核付加し、分子量が大きくC/N比が低いHSが生成したことを示している。この場合、微生物活動を示唆するNH3やCH4ガスの発生が堆肥化120日後も見られることから、堆肥は未成熟と考えられる。しかし、堆肥パイルの温度上昇後(6日後)にスラグを添加したとき、HSのC/N比はスラグ初期添加時に比べ高かったが、分子量は大きく低下した。この場合、パイルでガスの発生が見られなかったことから堆肥として熟成していると考えられる。以上の結果は、スラグの添加時期は、有機廃棄物由来の堆肥熟成に対して重要な因子であることを示している。

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