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[1304] Fe(Ⅲ)を用いた有機塩素化合物の光分解に及ぼす酒石酸含有廃棄物添加の影響
司会:別所昌彦(秋田大学)
キーワード:地下水・土壌汚染, 有機塩素化合物, 光分解, 廃棄物有効利用
有機塩素化合物の分解方法の一つに有機酸鉄錯体を用いた光分解法がある。この方法は、有機酸鉄錯体を光照射させることで活性酸素種を生成し、有機塩素化合物を分解する方法である。しかし、有機酸試薬は、環境浄化に用いるには高価であるため、前報においてヤマブドウ果汁、ワインの製造工程から発生する廃棄物に含まれる酒石酸を有機酸の供給源として用いることができないか検討を行った。その結果、ヤマブドウ果汁残渣・ワイン残渣を用いても、酒石酸試薬と比較すると反応速度は小さいがトリクロロエチレン(TCE)の光分解を促進できることを明らかにした。 本研究では、酒石酸試薬と酒石酸が含有する廃棄物(ワイン残渣、ヤマブドウ果汁残渣)を用いて、様々な有機塩素化合物(クロロメタン類、クロロエタン類、クロロエチレン類)のFe(Ⅲ)による光分解実験を行うことで、廃棄物添加による種々の有機塩素化合物の光分解に及ぼす影響を評価した。その結果、クロロメタン類の光分解において酒石酸試薬を用いた条件ではジクロロメタンとクロロホルムが、ワイン残渣を用いた条件では四塩化炭素のみが分解し、試薬と廃棄物を用いた場合に分解する物質が異なった。
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