11:00 〜 11:15
[1307] 自然力活用型坑廃水処理(Passive Treatment)の実証試験 【プロセスの効率化に関する検討】
司会:沖部奈緒子(九州大学)
キーワード:坑廃水処理, 硫酸還元菌, パッシブトリートメント, 硫化物
JOGMECでは、もみがら、米ぬか等が充填されたリアクターを用いて、硫酸還元菌(SRB)を活用する坑廃水処理プロセス(JOGMECプロセス)について検討を進めている。これまで、酸性坑廃水を処理対象として滞留時間50時間で試験を実施し、長期安定的に金属処理が継続することを確認した。実用化を見据え、プロセスを更に効率化(コンパクト化)する必要があると考え、米ぬかの充填量を増加し、滞留時間25時間で実証試験を実施した。現在までに250日経過し、SRBによると思われる硫酸イオン還元が継続し、処理後水の金属濃度は排水基準を満足しており、処理が安定的に継続していることが示唆される。これは米ぬかの充填量を増加したことによる効果に加え、冬季の反応場の温度が高く(約10 ℃)維持されていることによると考えられる。滞留時間を大幅に短縮、つまり通水量を増加させたことで、年間通して15 ℃程度で流出する処理対象水がリアクターに多く導水され、気温の影響を受けにくいことが考えられ、細菌群の活性維持の面で良い影響を及ぼしたと推定できる。これにより、坑廃水を従前の1/2の滞留時間で処理できる可能性が示唆された。
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