一般社団法人資源・素材学会 平成28(2016)年度 春季大会

講演情報(2016年2月29日付)

企画講演

資源経済と資源循環のリンケージによる新たな展開

2016年3月28日(月) 13:00 〜 16:00 第4会場 (東京大学)

司会:安達毅(秋田大学), 村上進亮(東京大学)

14:00 〜 14:20

[1407] MaTraceを用いた鉄鋼中の合金元素の動的マテリアルフロー分析

武山健太郎1, 大野肇1, 松八重一代1, 中島謙一2, 近藤康之3, 中村愼一郎3, 長坂徹也1 (1.東北大学 工学研究科, 2.国立研究開発法人 国立環境研究所, 3.早稲田大学 政治経済学術院)

司会:安達毅(秋田大学)

キーワード:MaTrace, 動的MFA, 鉄鋼, 合金元素, リサイクル

鉄鋼業には多くの合金元素が投入されて、それらは主に特殊鋼の生産に用いられている。従って、鉄鋼産業において持続可能な生産をしていくためには合金元素の安定供給が必要不可欠である。一方で、鉄スクラップの需要も増加している。現状における鉄スクラップの利用形態は、主にスクラップ中の鉄分の再利用であり、ステンレスなどの一部のスクラップに含まれる主要元素やトランプエレメントである銅や錫以外の合金元素の流れに関しては考慮されていない。従って、今後鉄鋼材料の循環利用において、不十分なスクラップ選別が合金元素の意図しない濃化によるスクラップの低質化や、合金元素の散逸を引き起こすことが懸念される。これらの問題に対処するためにスクラップの組成を考慮した新しいリサイクルシステムの構築が必要である。物質需給構造を把握する上でマテリアルフロー分析(MFA)は物質フローや構造上の問題点などの有益な示唆を与える。本研究では動的な分析が可能であるMaTraceモデルを用いて鉄鋼材料とそれに随伴する合金元素のフローを分析し、鉄鋼業への合金元素の一次資源投入量削減の可能性を検討する。

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