リサイクル

[1606] LIBSソータによる電子基板からのTaコンデンサ焼結体回収およびAl合金相互分離に関する基礎研究

^○戸川涼¹, 佐藤恒太¹, 大和田秀二¹, 中村崇¹ (1.早稲田大学)

司会:和嶋隆昌(千葉大学)

キーワード：LIBSソータ, Taコンデンサ, Ta焼結体, アルミニウム合金, 電気パルス粉砕

昨年度までの研究で，PCB（電子基板）に電気パルス粉砕を施すと，すべてのTaコンデンサが非破壊で基板から剥離されること，そして，剥離したTaコンデンサに電気パルス粉砕を施すと，内部のTa焼結体の単体分離が進むことが明らかとなった。そこで，本年度は，我々が世界で初めて開発したLIBSソータを利用して，そのTaコンデンサおよびTa焼結体の検知・識別・分離のための基礎試験を行った。また，同LIBSソータは，従来の選別方法では分離できなかった各種Al合金を相互分離する新手法となり得ることが昨年度までの研究で示唆されたため，本年度は，本格的にその検討も行った。 前者では，Taコンデンサ筐体に含まれるSiO₂のSiを検知すべく実験を行ったが，LIBSの設置時の設定条件それに相応しくないことが判明し，Ta焼結体のLIBSソーティングを検討した。その結果，同焼結体表面および内部に含有されるMnO₂の検知が有効であることが判明し，それによるTa焼結体の検知・識別・分離の可能性が示された。また，後者では，検知条件を適切にセットすることにより，各Al合金に含まれるZn, Cu, Fe, Mn, Mg, Siの濃度をLIBSソータで検知することが可能であり，ほぼすべてのアルミ合金類を検知・識別・分離できることが判明した。