一般社団法人資源・素材学会 平成28(2016)年度 春季大会

講演情報(2016年2月29日付)

一般講演

リサイクル

2016年3月28日(月) 13:00 〜 17:00 第6会場 (東京大学)

司会:林直人(産総研), 和嶋隆昌(千葉大学), 伊藤真由美(北海道大学)

14:45 〜 15:00

[1607] 携帯電話用廃リチウムイオン二次電池からの正極材濃縮を目的とした最適選別フローの提案

諏訪貴大1, 齋藤拓哉1, 大和田秀二1, 所千晴1, 薄井正治郎2 (1.早稲田大学, 2.JX金属株式会社)

司会:和嶋隆昌(千葉大学)

キーワード:リチウムイオン二次電池, 正極材, コバルト, テーブル選別, 浮選

近年,小型デバイスの普及に伴いリチウムイオン二次電池(以下LIB)の廃棄量が増加している。現状の廃LIBのリサイクルにおいて使用済みLIBの処理から正極材を濃縮する技術は未確立の状況にある。そこで本研究では,Co系正極材の廃LIBを対象に湿式精錬工程で処理困難となるAl, Cu, C品位の低い正極材濃縮産物を得ることを目的として,焙焼→破砕→スクリーニング→浮選および湿式テーブル選別の処理フローを検討した。浮選ではC分が多く分配している-125 µmを対象に最適ケロシン濃度を決定するとともに,浮選系内での物理的・化学的な力がおよぼす浮選挙動への影響についても検証した。湿式テーブル選別では,スクリーニング後Co分が比較的微粒側に分配するため,125-4000 µm試料に対してCo分を小重産物として濃縮するとともに,試料の形状特性がテーブル選別へ与える影響についても検証した。+4000 µmの試料に対しては,筐体由来のAlおよびCuシートが多く分配しているため,スクリーニングにより粗粒側に除去した。また,昨年度の研究で有効であるとされた磁選を適用した処理フローと本研究での処理フローについて,Co分の回収率,品位および分離効率から,正極材濃縮の為の最適処理フローを決定した。

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