リサイクル

[1613] ロータリーキルンによるアルカリ溶融処理を用いた砕石ダストのゼオライト転換

^○大西真司¹, 和嶋隆昌¹, 今井敏夫², 佐野奨² (1.千葉大学大学院, 2.太平洋セメント株式会社)

司会:伊藤真由美(北海道大学)

キーワード：ゼオライト, 砕石ダスト, アルカリ溶融, ロータリーキルン

本研究では砕石ダストをロータリーキルンで連続的にアルカリ溶融することで反応性の高い溶融物を生成し，溶融物をゼオライトに転換するプロセスを開発することを目的とする．砕石鉱山では，砕石製品を生成する際に産業廃棄物として多くの砕石微粒分が発生している．これらの一部は人工骨材などに利用されているが，大部分は埋立処分されている．近年，埋立処分場の不足により砕石微粒分の処分が困難となっており，新たな有効利用法が求められている．そこで，本研究では砕石ダストにセメントキルンの廃熱温度を想定した300-400 ℃でロータリーキルンを用いたアルカリ溶融処理を施し，機能性材料として利用可能なゼオライト材料を製造することを試みた．
砕石ダストとNaOH粉末を1：1.2, 1:1.4, 1:1.6で混合した試料をロータリーキルンに投入し，約300-400 ℃で加熱することで，溶融物の生成を試みた．結果，溶融性の高いケイ酸ナトリウムなどのアルカリ塩の生成を確認できた．溶融物の溶解量を測定した結果，NaOH粉末の添加量が多いほど溶融物の溶解量は増加することがわかった．また，ロータリーキルンによって生成した試料を蒸留水中で撹拌し，80 ℃で加熱することでゼオライトの合成を試みた．結果，フォージャサイト型ゼオライトの生成を確認できた．生成したフォージャサイト型ゼオライトを含む生成物の陽イオン交換容量を測定した結果，試料のNaOH添加量が多いほど陽イオン交換容量が増加することがわかった．