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[1704] 低品位銅を陽極に用いた銅電解精製における不動態化に及ぼす塩化物イオンの影響
司会:大石哲雄(産総研)
キーワード:低品位銅, 不動態, 電解精製, 銅, 塩化物イオン
純度78.7%の粗銅をアノードに用いて,浴温60 ℃,無撹拌にてアノード電流密度200 A/m2でCuの電解精製を行い,陽極の不動態化に及ぼす塩化物イオンの影響を調査した。Cl-濃度が0~40 mg/Lの範囲では,約17時間で不動態化が生じており,Cl-濃度の影響が見られないのに対して,Cl-濃度が100 mg/L以上になると不動態化までの時間は短くなっており,不動態化に対するCl-イオンの悪影響が認められた。Cl-濃度を400mg/Lと高くすると電解後のアノード表面に繊維状の組織が見られた。この組織をXRDを用いて解析すると,Cuとは別のピークが観察され,その解析角からCuClが存在することが予想された。Cuに関する電位-pCl-図を見ると,Cl-濃度が小さい領域ではCuはCu+を経由してCu2+として溶解するが,高濃度のCl-を含む浴では溶解の途中にCuClが安定な領域を経由するようになり,溶解途中のCu+がCuClとして析出する。Cl-濃度が100 mg/L以上になると不動態化までの時間が短くなったのは,アノード表面にCuClが形成されるためと考えられる。
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