一般社団法人資源・素材学会 平成28(2016)年度 春季大会

講演情報(2016年2月29日付)

一般講演

環境

2016年3月30日(水) 10:00 〜 12:00 第3会場 (東京大学)

司会:林直人(産総研), 所千晴(早稲田大学)

11:15 〜 11:30

[3305] サーモポロメトリー法によるセメント硬化体の細孔構造評価

名和豊春1, 胡桃澤清文1, 宮本正紀3,杉山卓也2 (1.北海道大学大学院工学研究院環境循環システム部門, 2.北海道大学工学部環境社会工学科環境循環システムコース, 3.北海道大学大学院工学院環境循環システム専攻)

司会:所千晴(早稲田大学)

キーワード:サーモポロメトリー, 低温DSC測定, フライアッシュ



建設事業や土木事業では、新しい材料や手法の進歩によって新規の建造物の性能は近年ますます向上している。一方で、古い材料と手法で作られた建造物の維持管理、補修は非常に重要であり、既存の建造物を破壊することなく劣化状態を把握して事故を未然に防ぐことが求められている。

セメントの性能は拡散性や強度などの物性で評価される。これらの物性には内部の細孔径分布が関わっていることが既に明らかになっている。故に、セメント系材料を用いた建造物を非破壊または微破壊の状態で細孔径分布を調べ、維持管理を行う必要がある。

広い範囲の細孔径分布を測定することができる水銀圧入法が現在の主流となっているが、欠点も存在する。試料を乾燥高圧下で測定することによる細孔構造の破壊や、水銀の後処理といった点である。これらを克服した手法として今回低温DSC測定を用いた。低温DSC測定は含水状態で測定でき、圧力をかける必要もないため、セメント硬化体の測定に最も適した手法と言える。低温DSCの測定データをサーモポロメトリー法で解析することにより得られた細孔径分布についてその妥当性を検証している。

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