一般社団法人資源・素材学会 平成28(2016)年度 春季大会

講演情報(2016年2月29日付)

企画講演

鉱業史

2016年3月30日(水) 13:00 〜 15:50 第3会場 (東京大学)

司会:中西哲也(九州大学), 大石徹(日鉄住金環境株式会社)

13:05 〜 13:35

[3309] 北海道地域のいわゆる砂白金について(その2)

大石徹1, 古山隆2 (1.日鉄住金環境株式会社, 2.東北公益文科大学)

司会:中西哲也(九州大学)

キーワード:砂白金, イリドスミン, 北海道, 白金族元素, Ferronickelplatinum

 砂白金とはオフィオラト系のカンラン岩、蛇紋岩、クロム鉄鉱等に微量に含まれる白金族元素を主成分とする鉱物が原岩の風化に伴い河川等に濃集して砂鉱をなしたものの総称で、白金・鉄(ニッケル、銅)系合金からなる自然白金~白金鉄合金類、イリジウム・オスミウム・ルテニウム系の自然合金からなるイリドスミン類、白金族元素の硫砒化物の3種類のものが含まれている。

 北海道地域の砂白金資源は、万年筆のペン先合金に使用するのに適したイリジウムに富む組成のイリドスミンを主成分としていたため、第二次世界大戦以前においては北海道地域がオーストラリアのタスマニア地域と並んで世界的に重要な産地となっており、更に大戦中には白金族元素類は軍需物資として国策事業として採取されていた。しかし、現在では鉱業的生産は全く行われておらず、また当時採取されていた砂白金の鉱物組成、化学組成については、戦時中の供出により残存標本試料が少なく、断片的な情報しか残されていない。

 今回、砂白金の産状と、戦前の保存試料および現地での採取試料の構成鉱物を調査し、また日本新産鉱物であるFerronickelplatinumの記載を行った。

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