低炭素社会構築のためのCCS

[3410] 多孔質内における重力不安定対流の可視化

^○中西佑児¹, 兵藤陽光¹, 王蕾¹, 末包哲也¹ (1.東京工業大学)

司会:佐々木久郎(九州大学)

キーワード：多孔質, Rayleigh-Taylor不安定性流れ

地球温暖化対策としてCO2を地下に圧入するCCS技術があり、その安全性はCO2の多孔質体地下対水層への溶解によって保障されている。溶解はCO2が溶け込んだ塩水と塩水の密度差による重力不安定性対流によって促進される。私たちはこの対流現象をX線CT装置によって実験的での3次元可視化を行った。液体同士の界面にある微小擾乱の成長、フィンガーの分裂、合体を確認した。同じ多孔質媒体（透過率）であればRayleigh数の増加と共にフィンガーの数が増加する。また、溶解速度を知るために必要な質量流速を評価することができる。Reyleigh-Benard対流では質量流速はRayleigh 数のべき乗で表されるが、本研究では、液体の密度差を変化させた場合と多孔質環境を変えた場合とで、同じRayleigh数でも質量流束は異なった。流れの相似則により、実際の地下数kmスケールでの対流現象やCO2の溶解速度を予測することが可能である。