一般社団法人資源・素材学会 平成28(2016)年度 春季大会

講演情報(2016年2月29日付)

一般講演

資源開発技術

2016年3月30日(水) 09:15 〜 15:30 第5会場 (東京大学)

司会:武川順一(京都大学), 羽柴公博(東京大学), 児玉淳一(北海道大学), 笹岡孝司(九州大学)

13:30 〜 13:45

[3511] 弾性波散乱理論を組み込んだ全波形逆解析の研究

寺西慶裕1, 三ケ田均1, 武川順一1 (1.京都大学大学院)

司会:児玉淳一(北海道大学)

キーワード:地震探査, 全波形逆解析, 散乱理論

全波形逆解析手法(Full waveform inversion: FWI)は地下の地震波速度構造を高精度に求める解析手法である。しかし,FWIでは複数定数を推定する際,それぞれの定数が他の定数の推定に影響を与えてしまい,適切な定数の推定ができないという課題がある。特に密度については,逆解析により推定することが難しいことが知られている。そのため,これまでの研究では密度は経験式を使って推定されるか,あるいは一定値として扱われてきた。そこで本研究では,シミュレーションによって求められていた各定数のモデル中の受振器への感度を,地下構造の不均質性によって生じる波動の挙動を理解するために発展した地震波の散乱理論を用いて,各定数のradiation patternを求め,これを勾配量への重みづけとした。この方法を導入することで,従来の勾配量のみを用いるFWIと比べて同程度の計算量でありながら,高精度なimagingを行う手法を提案する。数値実験の結果,提案手法は従来法よりも高精度に密度構造を再構築できることが示された。

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