一般社団法人資源・素材学会 平成28(2016)年度 春季大会

講演情報(2016年2月29日付)

企画講演

Copper2016プレシンポジウム

2016年3月30日(水) 09:00 〜 16:35 第7会場 (東京大学)

司会:岩見幸二(三菱マテリアル), 武部博倫(愛媛大), 山口勉功(岩手大), 中野博昭(九州大)

09:40 〜 10:05

[3704] 中国の銅製錬と不純物処理の事情

髙階浩二1 (1.一般社団法人 日本メタル経済研究所)

司会:岩見幸二(三菱マテリアル)

キーワード:銅製錬, 中国, 銅精鉱, 不純物, 砒素

2014年の世界の銅地金生産量は約23百万tで中国が約35%を占めている。一方、2014年の世界の銅地金消費量は約23百万tで中国が約50%を占めている。近年の銅の需要および生産の大幅な伸びの大半は中国であり、中国の動向は世界の銅需給を大きく左右する。また、銅製錬の原料面では、近年、銅精鉱の低品位化やAsなどの不純物問題が顕在化している。本稿では、こうした状況を踏まえて中国の銅製錬所を訪問し、銅溶錬プロセスにおける溶錬技術および銅精鉱中の不純物処理状況について現地の実情調査を行ったので報告する。中国では旧式プロセス廃止、底吹炉など各種プロセスが新増設され、各社、各プロセスでの競争の活発化により高い溶錬技術を有している。一方、中国の銅製錬所では現状、煙灰などを外部の業者に販売することで銅精鉱中の不純物を製錬所外に抜き出しており、今後の規制強化により不純物処理コストは上昇すると考えられる。今後、中国の銅需要の伸び率の鈍化によっては、コスト競争は激しくなると考えられる。銅1次製錬の競合として底吹炉などの中国の技術動向、需給動向に注視が必要である。

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