15:20 〜 15:30
[1314] 中温条件下における亜ヒ酸の微生物学的酸化・不動化に関する研究
司会: 沖部奈緒子(九州大学)
キーワード:ヒ素、亜ヒ酸、スコロダイト、ヒ素・鉄酸化微生物、製錬・鉱山廃液
スコロダイト(FeAsO4·2H2O)は安定な二次鉱物であり、低品位鉱床開発より生じる廃液中の亜ヒ酸(As(III))の理想的な不動化形態であると言える。本研究では、化学的スコロダイト生成が困難な低濃度領域(数千ppm As(III)模擬廃液)かつ中温条件下(35-45˚C)において、微生物学的なAs(III)酸化・不動化を試みた。実験は、①As(III)酸化過程と②Fe(II)酸化+沈殿生成過程とした。①では、As酸化菌により35˚C においてAs(III) 1000 ppmが全て酸化された。その後Fe酸化菌を植菌し②に移行した。②において、初期As(III)/Fe(II)モル比1.3、2.6の系では一部のAs(V)が非晶質の鉄ヒ素化合物としてFe(III)と共沈した。一方、初期As(III)/Fe(II)モル比0.65で温度を45˚Cとした系においては、51%のAsがスコロダイトとして不動化された。以上より、中温条件下において微生物学的スコロダイト生成は可能であり、最適化のために初期As(III)/Fe(II)モル比が重要な因子であることを示した。(若手ポスターに発表)
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