土壌と廃棄物を考える

[1411] 土壌環境を考慮した1,4-ジオキサンの分配特性に関する考察

^○中村謙吾, 伊東玄樹, 榊原健人, 駒井武 (東北大学大学院)

司会: 中村謙吾(東北大学)

キーワード：1,4-ジオキサン、土壌、分配係数、pH、含水比

1,4-ジオキサンは、工業的利用の多くは有機溶剤及びその安定剤であり、産業廃棄物や不法投棄現場からの土壌や地下水への移行が懸念される。難分解性の合成化合物であり、人への毒性は発ガン性（グループ2B）が疑われている。1,4-ジオキサンの環境動態には不明な点が多く、土壌からの地下水への移行のパラメータの収集及び解析に大きな課題である。本研究では、1,4-ジオキサンの土壌からの地下水への移行などに関するパラメータの収集を行った。土壌に関する要素として、pHや土壌含水比に着目し1,4-ジオキサンの間隙水から土壌への分配特性について検討を行った。間隙水のpHの変化は、土壌の無機及び有機成分の性状変化に対する検討である。土壌含水比は、土壌間隙水の土壌表面での移動性や土壌間隙への固着に関する検討項目となる。これらの土壌要素の違いや各種土壌の有する物理化学的特徴（粒径、有機分 etc）から、土壌環境中での1,4-ジオキサンの動態に関する基礎データの整理を行った。