15:15 〜 15:30
[1607] Na+イオンのプロトン置換によるNa3Zr2Si2PO12 (NASICON)のアモルファス化
司会: 関本英弘(岩手大学)
キーワード:Na+イオン伝導体、プロトン伝導体、プロトン注入
Na+イオンを電気化学的にH+に置換するアルカリ-プロトン置換法(AP置換法)は、固体中に高密度のプロトンを注入する方法の一つである。AP置換法を用いた酸化物ガラス中へのプロトンの注入と、それによるプロトン伝導性の発現がこれまで報告されているが、酸化物結晶へのプロトン注入はこれまで例がない。本研究では、高速Na+イオン伝導体であるNa3Zr2Si2PO12(NASICON)への、AP置換法によるプロトンキャリア注入を試みた。AP置換処理後の試料は、プロトン注入極(アノード)近傍でのNa濃度の減少と、OH濃度の増大が観察され、NASICON中でAP置換反応が進行していることが示された。しかし、AP置換の進展速度は非常に遅く、また、IRスペクトルに見られるOH伸縮振動は3500cm-1以上の高波数に位置しており、注入されたプロトンの移動度は小さく、キャリアとはならないことが示唆された。一方、AP置換が進行している領域のX線回折ではNASICON由来の回折線が消え、ラマンスペクトルではピークのブロード化が認められた。これらは、AP置換された領域でアモルファス化が生じたことを示している。
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