新材料

[1608] ナトリウム-アンモニア溶液を用いたSm-Co合金微粒子の合成

^○椎野正孝¹, 谷春樹¹, 寺門修², 平澤政廣¹ (1.名古屋大学大学院, 2.函館工業高等専門学校)

司会: 関本英弘(岩手大学)

キーワード：ナノ粒子、金属-アンモニア溶液、Sm-Co、磁性材料、無電解めっき

金属(合金)ナノ粒子は、その特異な光学的・電気的・磁気的性質から、エレクトロニクス、医療など様々な分野への応用が期待されている。当研究室では、ナトリウム-アンモニア溶液中の溶媒和電子の還元作用を利用し、金属塩を前駆体とした合金微粒子の合成についての研究を行っている(Fe-Co系については既報)。本研究では、同様の手法を用い、希土類永久磁石であるSm-Co系をターゲットに、優れた磁気特性を有するナノ粒子の合成を目的として実験を行った。また、本法による生成物微粒子を大気に開放する際容易に酸化されることが知られており、この酸化を抑制するため、表面処理プロセスについても併せて検討した。

アンモニア溶液中でのSmおよびCo塩化物の還元・微粒子生成と、それに続く無電解Cuめっきにより、大気中で保持しても酸化され難いSmCo₅合金微粒子(粒径：20～30 nm)を得た。さらに、表面処理後の粒子をH₂ガス還元雰囲気中でアニール処理し、粒成長させずに結晶性を高めた。結果、得られたSmCo₅合金微粒子は大気中に取り出しても酸化することなく、その保磁力は930.0 Oeであった。