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[2302] 自然力活用型坑廃水処理の実用化への期待と我が国の取組みについて
司会: 初谷和則(独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構)
キーワード:休廃止鉱山、坑廃水、重金属、自然力活用型坑廃水処理(パッシブトリートメント)
休廃止鉱山からは重金属を含んだ坑廃水が流出し続けるため、鉱業権者が坑廃水処理を行うとともに、鉱害防止義務者が不存在である場合は地方公共団体が坑廃水処理を実施し、鉱害防止を図っている。 この坑廃水処理に係るコストの低減は、鉱業権者及び地方公共団体の費用負担軽減の面から重要であるとともに、国からも補助金が交付されていることから国民経済負担の軽減の面からも重要な課題であり、金属鉱業等鉱害対策特別措置法の第5次基本方針においても「坑廃水処理事業を確実に実施するとともに、新たな鉱害防止技術の導入等更なるコスト削減努力を行う。」と記されている。 このような背景の下、経済産業省は、これまで人工湿地や硫酸還元菌、透過性反応壁等を利用した自然力活用型坑廃水処理(パッシブトリートメント)技術の調査研究を行ってきており、平成26年度には、北海道本庫鉱山において、実用規模の人工湿地を造成し、坑廃水処理の処理を行うに至っている。 今後、他鉱山への更なる普及を図るには、多様な坑廃水に対応できる処理方式の処理設備の省スペース化や処理の確実性の向上といった複数の課題をクリアしていかなければならない。 現在、植物利用型坑廃水浄化技術等基礎調査事業として、植物を用いた重金属の除去能力や坑廃水への耐性、費用対効果等を検討するための適用可能性調査を実施している。 今後、自然力活用型坑廃水処理(パッシブトリートメント)技術の実導入の増加を期待する。
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