JOGMECにおける自然力活用型坑廃水処理技術開発 ～実用化へ向けて～

[2305] Microbial community analysis of the “JOGMEC process” by next-generation sequencer

堀知行¹, 青柳智¹, 佐藤由也¹, 稲葉知大¹, 濱井昂弥², 佐藤佑樹², 小島和浩², 小林幹男², 増田信行², 酒田剛², 尾形敦¹, ^○羽部浩¹ (1.国立研究開発法人産業技術総合研究所, 2.独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構)

司会: 初谷和則(独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構)

Keywords:酸性坑廃水、微生物処理、硫酸還元菌、次世代シークエンサー

硫酸還元菌を活用し酸性坑廃水を処理する技術がJOGMECによって検討されており、もみがら、米ぬか等が充填されたリアクターを用いて金属を硫化物として除去するプロセス（JOGMECプロセス）について、複数現場での実証試験に加え、基礎試験により、プロセスの最適化が図られている。これまでのJOGMECプロセスは、酸性水をそのままリアクターに導水し、酸性環境で米ぬかが微生物に分解されるものであり、その場合の滞留時間の上限は12時間程度であると実験的に確認された。よりコンパクトなプロセスとするため、滞留時間を短縮する手法について検討したところ、石灰石を充填したpH調整槽で処理原水を事前に弱酸性～中性にすることにより、滞留時間6時間程度であっても、硫酸イオンが還元されることが確認された。処理能が向上した要因の一つとして、米ぬかを分解して低分子有機物を生成する微生物種が、pHによって異なることが推測された。そこで、各pH条件での菌叢について詳細に調べるため、次世代シーケンサーによる解析を行った。同時にHPLCを用いて、リアクター内の低分子有機物の定量解析も行い、得られた結果について比較・考察した。