高温素材プロセッシング

[2410] Effect of aluminum and copper on the selective chlorination and evaporation reaction of electric arc furnace dust

吉山恭平¹, ^○松浦宏行² (1.東京大学工学部マテリアル工学科, 2.東京大学大学院新領域創成科学研究科物質系専攻)

司会: 谷ノ内勇樹(東京大学)

Keywords:電気炉ダスト、選択塩化揮発、亜鉛、リサイクル、鉄鋼スクラップ

鉄鋼スクラップのリサイクルは環境負荷低減や資源循環の観点から重要である。主たる鉄鋼スクラップ再利用法は電気炉（EAF）を用いた溶解・精錬法であり、このとき、鉄鋼に付随する様々な元素はその特性に応じて、溶鋼内に残存、スラグ中に酸化除去、あるいは揮発して電気炉ダスト中に濃縮する。近年、亜鉛めっき処理された鉄鋼スクラップの割合が増加した結果、電気炉ダスト中の亜鉛濃度が増加している。電気炉ダストからの亜鉛回収は、亜鉛資源の確保や電気炉ダストリサイクル率の向上の観点から重要である。
著者らはこれまでに電気炉ダストから亜鉛や鉛を選択的に分離回収する方法として選択塩化揮発法を研究している。本研究では、実電気炉ダストに含まれる鉄、亜鉛、鉛以外の様々な元素が、亜鉛や鉛の選択塩化揮発挙動に及ぼす影響を熱力学的に検討し、その結果、プロセス効率や回収物純度に影響をおよぼす可能性があるアルミニウムおよび銅の影響について、実験によりそれらの影響を測定した。