資源・素材2016(盛岡)

講演情報(2016年8月18日付)

一般講演

湿式素材プロセッシング

2016年9月15日(木) 09:30 〜 14:00 第2会場 (17番講義室)

司会: 佐々木秀顕(愛媛大学), 安田幸司(京都大学), 白山栄(東京大学)

09:30 〜 09:45

[3201] V(II)溶液を用いた黄銅鉱の還元浸出

伊藤将太, 山下智司, 小山和也 (千葉工業大学)

司会: 佐々木秀顕(愛媛大学)

キーワード:黄銅鉱、電解還元、還元浸出、バナジウム

黄銅鉱などの硫化銅鉱の浸出ではSO42-生成型、S生成型、H2S発生型がある。本研究では還元性溶媒としてV(II)を用い黄銅鉱に対するH2S発生型浸出について検討している。これまでの実験で、過剰量のV(II)が含まれる溶液中では、pHが約2.0、90℃において15分程度で反応し、黄銅鉱中の銅はほぼすべてCu2Sとなり、鉄はほぼすべて溶液中にイオンとして存在することが分かった。今回はV(II)を少しずつ滴下し、滴下量と反応率との関係について調べた。還元性溶媒であるV(II)溶液は前回同様V2O5を溶解した溶液を電解し作製した。3時間程度電解し95%以上がV(II)である溶液を用いて実験を行った。V(II)濃度:0.1mol/L、液温90℃、V(II)滴下量:4ml/hの条件で黄銅鉱の浸出を行った。黄銅鉱中の銅がすべてCu2Sとなると仮定した場合に必要な量のV(II)を滴下したとき、浸出液中の銅イオン濃度分析結果から99%以上の銅は残渣に含まれた。残渣のX線回折の結果Cu2Sが同定された。また、硫黄は全体量の63%程度が硫化水素として検出された。これは時間遅れの影響が考えられる。

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