資源・素材2016(盛岡)

講演情報(2016年8月18日付)

一般講演

環境

2016年9月15日(木) 09:30 〜 12:00 第3会場 (銀河ホール)

司会: 中村謙吾(東北大学), 大川浩一(秋田大学)

09:30 〜 09:45

[3301] フッ素系樹脂の熱分解における金属酸化物を用いたフッ素固定

才野栞1, 谷春樹1, 寺門修2, 平澤政廣1 (1.名古屋大学大学院, 2.函館工業高等専門学校)

司会: 中村謙吾(東北大学)

キーワード:PTFE、フッ素固定、熱分解、

ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)はフッ素系樹脂の需要の60~70%を占めている。PTFEは耐熱性・撥水性に優れており、調理器具のコーティングなど多様な用途に利用されている。しかし、フッ素樹脂含有物が焼却処分など高温加熱されると、HFなどの有害なフッ化物が生成する。本研究では、PTFEの熱分解実験を行い、その際に生じる分解生成物を分析した。また、フッ化物を固定するためにCaCO3を添加し、その添加量(0~500mg)や加熱温度(500~700℃)を変えたときのフッ素の固定率について調査した。
PTFEはC2F4(テトラフルオロエチレン)の重合体であるため、熱分解によりC2F4やC3F6(ヘキサフルオロプロペン)などの有機フッ化物が生成した。加熱温度が高くなると、これら有機フッ化物の全体の生成量は増加した。CaCO3を添加すると、残渣中にCaF2の生成が確認された。またCaCO3の添加量が増加するにつれて、有機フッ化物の生成量が減少しCaF2の生成量は増加した。これは、PTFEの熱分解によって生成したフッ素化合物とCaCO3が反応して、より多くのCaF2が生成したためと考えられる。CaF2生成によるフッ素固定率はフッ素収支で約8~40%であり、CaCO3添加量が増大するにしたがって固定率が上昇する傾向にあることが判明した。

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