環境

[PY-25] Mg系無機化合物による希薄水溶液中のホウ素の吸着挙動とその温度特性

^○藤田裕気, 村山憲弘, 芝田隼次 (関西大学)

キーワード：ホウ素、希薄水溶液、吸着除去

ホウ素の処理方法として、選択性イオン交換樹脂によるイオン交換、アルミニウムやカルシウム化合物による凝集沈殿などがあげられる。いずれも、経済的・技術的な点から解決すべき工学的課題が残されている。本研究では、Mgを一成分とする無機化合物（酸化物、水酸化物）を除去剤に用いて、速度論および平衡論の観点から希薄水溶液中のホウ素の吸着挙動を検討した。
ホウ素の除去に及ぼす温度の影響について検討した。MgOを除去剤としたとき、温度上昇に伴ってホウ素の除去速度、除去量がともに増加することがわかった。除去操作時にMgOの水和反応が起こるが、この水和反応の特性がホウ素除去に大きな影響を与えることが示唆された。Mg-Al系LDH（層状複水酸化物）の場合、MgOと比べると除去速度が速く、10～50℃の温度範囲にてホウ素の除去速度や除去量に大きな差異は見られない。それぞれのMg系化合物によるホウ素除去の経時変化に対して、熱力学的観点から検討を行った。各除去剤の特性を比較しながら、希薄水溶液からのホウ素の除去速度や除去量、除去メカニズムについて検討した。