資源・素材2016(盛岡)

講演情報(2016年8月18日付)

若手ポスター発表【コアタイム】

環境

2016年9月13日(火) 16:00 〜 17:30 第3会場 (銀河ホール)

16:00 〜 17:30

[PY-29] 掘削泥岩から溶出する酸性水およびヒ素に対する吸着層の有効性

能登健太1, 田本修一2, 山崎秀策2, 山本隆広3, 五十嵐敏文1 (1.北海道大学大学院工学院, 2.寒地土木研究所, 3.パシフィックコンサルタンツ株式会社)

キーワード:ヒ素、酸性水、吸着層工法、黄鉄鉱、カラム試験

現在、北海道では多くのトンネルが建設中であり、今後もトンネル工事によって大量の掘削ずりが発生すると考えられる。掘削ずりには自然由来の重金属類が多く含有される場合があり、降雨などの影響により掘削ずりからヒ素(As)などの重金属類や酸性水が溶出し、地下水や周辺環境を汚染することが懸念されている。そこでトンネル掘削ずりからの重金属類の溶出や酸性水の浸出の特性を評価するとともに吸着層工法における吸着層のAsに対する吸着性能とpHの緩衝性能を評価するために、掘削現場付近で建設残土として発生する段丘堆積物を覆土層および吸着層として使用し、吸着層工法を再現したカラムを屋外に設置し原位置カラム試験を行った。また、溶出したAsの岩石中の存在形態を明らかにするために逐次抽出試験を行った。原位置カラム試験の結果から、吸着層を有するカラムがずりのみのカラムと比較して、As溶出量を大幅に減少させた。一方、酸性水に対する吸着層の緩衝効果はあまり認められなかった。As、酸性水ともに覆土層の有無による相違はほとんど認められなかった。逐次抽出試験とXRD分析の結果から、Asの主な溶出源は黄鉄鉱の酸化・溶解反応に起因することが推定された。

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