16:00 〜 17:30
[PY-30] 自然由来ヒ素の影響を受けた河川底質のキャラクタリゼーション
キーワード:ヒ素、水酸化鉄、リスク、共沈
北海道では、融雪槽を使用している地域がある。融雪槽は、地面に空間を設けて雪を投入し、そこに周辺の地下水をくみ上げて散布し、消雪後、河川に排水する仕組みになっている。ところがこの地下水から環境基準値を超える量のヒ素(As)が検出されたため、周辺環境への影響が懸念されている。本研究では、融雪槽を利用することによる周辺地域への影響やリスクを評価するために、融雪槽からの排水が合流しない上流、中流と、融雪槽の排水が合流する下流の3地点から底質試料を採取し、溶出試験、含有量試験などを行った。その結果、溶出試験によるAs溶出量は3地点ともにほとんど環境基準値以下であったが、含有量試験では上流、中流の方が下流よりも高かった。この結果は、融雪排水の有無にかかわらず、自然由来のAs含有地下水が河川に流出し、共存する第一鉄イオンが酸化し、水酸化第二鉄の沈殿を生成したことを示しており、この沈殿物中にAsが共沈あるいは吸着されたと考えられる。このAsは1 M塩酸によって全As中の80 %程度が抽出されたことから、底質の経口摂取を防止することが重要である。
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