資源・素材2016(盛岡)

講演情報(2016年8月18日付)

若手ポスター発表【コアタイム】

リサイクル

2016年9月13日(火) 16:00 〜 17:30 第3会場 (銀河ホール)

16:00 〜 17:30

[PY-47] 羊毛またはその廃棄物から作製したケラチン樹脂を用いた貴金属の選択的分離

丸藤直久1, 平井伸治2, 葛谷俊博2, 中村英次2, 大森英城3, 上杉昭二3 (1.室蘭工業大学(院生), 2.室蘭工業大学環境調和材料工学研究センター, 3.日本毛織(株))

キーワード:羊毛屑、ケラチン樹脂、貴金属、模擬廃水、選択的分離

複数種の貴金属が混じった排水などから各々の貴金属を回収する場合、通常、溶媒抽出法による。しかし、煩雑な操作、大量の有機溶媒を使用するなど欠点もある。研究グループでは、羊毛繊維を機械的に粉砕した羊毛粉末を用意し、この羊毛粉末を加熱しながら加圧するだけでケラチン樹脂を作製してきた。羊毛繊維には羊毛屑の他、古着などの故繊維も用いることができる。本研究では、Au、Hf、Ir、Pd、Pt、Rh、Ru、Sb、Sn、Teが含まれる酸性模擬廃水に羊毛またはその屑から作製したケラチン樹脂を投入し、各種金属イオンの選択的吸着特性を明らかにすることを目的とする。各種金属イオンが10 ppmずつ含まれる模擬廃液にケラチン樹脂を投入したところ、保持時間にかかわらずHf、Ir、Pt、Rh、Ru、Sb、Snの濃度に変化は見られず回収率は0%であった。一方、Au(Pd)の吸着率は。4、12、24時間と保持時間が増加すると30(10)、37(20)、55(30)%と増加した。すなわち、ケラチン樹脂の金属イオンに対する選択吸着性が確認された。メッキ工場の廃水中からAuやPdの回収のみならず、Pd-Ru、Pd-Au、Pd-Ru、Pd-Teなどの合金触媒から各金属の分離回収への応用が期待される。

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