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[1101-10-01] 低品位銅を陽極に用いた銅電解精製における不動態化に及ぼす浴中不純物イオンの影響
司会: 八木俊介(東京大学)
キーワード:不動態、電解精製、銅、陽極
純度78.7%の粗銅をアノードに用いて,浴温60 ℃,無撹拌にてアノード電流密度200 A/m2でCuの電解精製を行い,陽極の不動態化に及ぼす浴中不純物イオンの影響を調査した。また,回転ディスク電極法により,各種不純物存在下における浴中でのCu2+の拡散係数を測定した。不純物イオンとして,Ni2+, As5+, Bi3+が存在すると不動態化が促進されることが分かった。電解後の陽極上のスライム断面をEPMAにて解析したところ,As5+添加浴では,Sb, As, Oの重なり,Bi3+添加浴では,Bi, As, OまたはBi, S, Oの重なりが見られ,それぞれ,SbAsO4, BiAsO4, Bi2(SO4)3の形成が予想された。スライム中に形成されたSbAsO4, BiAsO4, Bi2(SO4)3が,Cu2+イオンの拡散を阻害し,不動態化を促進すると考えられる。一方,Ni2+添加浴では,浴の粘度が上昇し,浴中でのCu2+の拡散係数が低下することが分かった。また,Ni2+が共存するとCuSO4の溶解度が減少した。Ni2+イオンは,スライムの性状に影響を及ぼすこと無く,不動態化を促進した。
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