一般社団法人資源・素材学会 平成29(2017)年度春季大会

講演情報(2017年2月23日付)

企画講演

粉体精製工学部門委員会学生賞セッション

2017年3月27日(月) 09:00 〜 12:00 第2会場 (6号館 3階 636講義室)

司会: 林直人(産業技術総合研究所),和嶋隆昌(千葉大学)

09:15 〜 09:30

[1201-11-02] 高分子吸着剤の細孔制御による希土類元素の吸着特性向上

篠崎 智博1,2、尾形 剛志2、柿沼 遼1,2、成田 弘一2、所 千晴1、田中 幹也2 (1. 早稲田大学、2. 産業技術総合研究所)

司会: 林直人(産業技術総合研究所)

キーワード:希土類元素、吸着、高分子吸着剤、ジグリコールアミド酸

希土類元素は供給構造の脆弱性が指摘されており,供給源の多様化が課題となっている。これまでに,希土類元素を低濃度で含有している未利用資源に着目し,ジグリコールアミド酸型配位子を導入したシリカゲル担体の吸着剤を開発した。この吸着剤は希土類元素への高い選択性を有し,吸着速度,脱離性といった吸着特性についても高い性能を示した。しかしながら,ハンドリング性向上のために吸着剤の粒径を大きくすると,含水時に担体が割れるという問題があった。そこで,吸着剤の担体を改善することを試みた。
本研究では,新たな担体として高分子粒子について検討を行った。スチレン-ジビニルベンゼン共重合体は化学的に安定であり,懸濁重合法によって作製する高分子粒子の粒径制御が可能である。高分子粒子にジグリコールアミド酸型配位子を導入した吸着剤は,希土類元素に対してシリカゲル担体の吸着剤と同様に希土類元素に高い選択性を示すことが確認された。さらに吸着特性の向上を目指し,懸濁重合時における希釈剤中の良溶媒と貧溶媒の体積比を変化させ,高分子担体の細孔制御を行った結果,希土類元素に対する吸着特性向上が確認された。

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