一般社団法人資源・素材学会 平成29(2017)年度春季大会

講演情報(2017年2月23日付)

企画講演

陸から海に至るビッグデータ探査技術-海洋底資源から陸上地熱資源まで-

2017年3月27日(月) 09:00 〜 12:15 第3会場 (6号館 3階 635講義室)

司会: 木崎彰久(秋田大学),長縄成実(東京大学),柏谷公希(京都大学)

09:35 〜 09:50

[1301-12-03] 海底熱水活動域岩石サンプルの電気比抵抗特性測定とそのモデル化

大田 優介1、後藤 忠徳1、柏谷 公希1、小池 克明1、林 為人1、多田井 修2、笠谷 貴史2、金松 敏也2、町山 栄章2 (1. 京都大学、2. 海洋研究開発機構)

司会: 木崎彰久(秋田大学)

キーワード:海底熱水鉱床、アーチーの式、電気伝導度、岩石物理学モデル

現在,金属資源量調査を目的として,海底熱水鉱床に対して物理探査が行われている.しかしながら,物理探査で得られる情報には限りがあり,鉱床の品位および空間分布の定量化には新たな技術開発が必要である.このような問題を解決する手段のひとつとして,対象地域の物性・化学組成の相関関係を組み込んだ適切な岩石物理学モデルを構築するという手法が挙げられる.本研究はこのようなモデルの構築を最終的な目的として,海底熱水活動域から採取した岩石サンプルに対し,比抵抗をはじめとする複数の物性の測定,および元素含有率の分析を行った.特に比抵抗に関しては,岩石サンプルの高い導電性を説明可能な新たな岩石比抵抗モデルの構築を行い,他の物性・化学組成と比較することで,相関関係を調査した.その結果,構築したモデルのパラメータと特定の元素含有率との間に相関性が確認された.これは本研究において構築したモデルが,比抵抗という物性情報から化学組成情報を抽出し得るものであるという可能性を示唆している.今後はこの比抵抗モデルを発展させ,他の物性および化学組成を定量的に組み込むとともに,整合性についてのさらなる検討を行っていく予定である.

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