14:00 〜 14:30
[3501-05-03] 白目(銅・砒素・鉛合金および鉄・銅砒化物)ー前近代日本での生産と使用ー
司会: 中西哲也(九州大学)
キーワード:白目、銅・砒素・鉛合金、鉄・銅砒化物、南蛮吹、白目山
ガウランド(Gowland, 1894)は、南蛮吹で副生する銅・砒素・鉛の合金(白目)を疑似スパイスとした。南蛮吹は銅に含まれる銀を抽出する製錬技術として江戸時代の日本で行われ、明治の初期まで操業された。ガウランドは、そこで副生される独特の合金(白目)は、ほかの国に例を見ないと述べている。その後、甲賀(1897)は煮黒味(ニグロメ)銅の製造に添加する鉄・銅の砒化物(馬白目)の分析値を示し、産地と製造方法を問うている。白目(銅・砒素・鉛合金と鉄・銅砒化物)は江戸時代に広く流通していた金属で、白目の生産を目的に白目鉑を採鉱・製錬する白目山もあった。大分県の尾平錫山、山口県の北平地域の鉛山、島根県の笹ケ谷銅山などは、そのような白目山でもあった。白目と呼ばれることがある鉛・錫合金(半田)やアンチモンの別称としての伊豫白目は別にして、白目(銅・砒素・鉛合金および鉄・銅砒化物)がいつ頃から生産されるようになったか、用途は何かを報告する。また、古代のイランの鉄スパイス生産の例などとの比較も試みる。
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