開発機械（1）

[PY-03] 推進工法における推力低減を目的とした脂肪酸添加型滑材兼裏込材の開発

○前原 一稀¹、島田 英樹¹、笹岡 孝司¹、濵中 晃弘¹、船津 貴弘¹、一ノ瀬 政友² (1. 九州大学、2. 都市基盤・環境・資源センター)

キーワード：推進工法、滑材、裏込材、推力低減

都市部の過密化に伴い，推進工法を用いた地下空間利用が展開中である。本工法では，推進管と地山との間にテールボイドと呼ばれる空間を設け，施工中にテールボイドに滑材を充填し，推進管および周辺地山の接触を抑制することで推力を低減している。しかしながら，推進工法の施工中，地質条件の変化や既存構造物の影響により施工が中断された場合，滑材が土被り荷重で圧縮され推進管と周辺地山が接触することにより中断再開後の推力が増大する事例が報告されている。
本研究では，推進施工が一時中断された場合でも推進管と周辺地山が接触せず，尚且つ滑材として推力低減効果を発揮する新規充填材の開発として，脂肪酸を添加した滑材兼裏込材の開発を行った。すなわち，種々の割合で脂肪酸を添加した滑材兼裏込材および模擬推進管を用いた模擬推進施工試験を実施し，滑材兼裏込材への脂肪酸の最適添加量に関する検討を行った。その結果，滑材兼裏込材に脂肪酸を2％以上5％未満添加することで滑材兼裏込材に要求される機能を満足し，施工中断再開後の推力を低減できることが分かった。