環境（1）

[PY-39] 鉄錯体を用いた四塩化炭素の光分解における種々の有機酸添加による分解促進

○盛田 凱矢¹、晴山 渉¹ (1. 岩手大学)

キーワード：揮発性有機化合物、四塩化炭素、地下水汚染、土壌汚染

四塩化炭素（CT）は地下水や土壌の汚染物質として指定されている物質であるが、強酸化剤のヒドロキシルラジカルでも酸化分解速度が小さいことが知られている。筆者らは、ワイン残渣中の酒石酸を用いて地下水中のVOCsを酸化分解する技術を研究している。これまでの研究で、酒石酸鉄錯体を用いたCTの光分解において、10時間で初期濃度の約90％を分解できることが分かっている。また、CTの光分解速度には酒石酸添加量が影響しており、酒石酸が高濃度の場合に最も分解が促進された。しかし、酒石酸以外の有機酸を用いた条件のCTの光分解についてはまだ検討を行っていない。

そこで、本研究では、酒石酸以外にシュウ酸やクエン酸を添加し、同様の光分解実験を行い酒石酸添加の条件と比較を行った。その結果、酒石酸を添加した条件が最も分解が促進された。また、酒石酸を添加した条件の光分解メカニズムについての検討を行った。