高温素材プロセッシング（1）

[PY-87] Nd₂O₃-B₂O₃-(FeO_x)系状態図に基づいたネオジム磁石リサイクルにおけるB₂O₃使用低減

○山本 尚弘¹、山口 勉功² (1. 早稲田大学大学院、2. 早稲田大学)

キーワード：ネオジム磁石、リサイクル、Nd2O3、B2O3、状態図

資源貧国である日本において、環境対応車の増加とともにモーターに使用されるネオジム磁石のリサイクルが重要になってくる。先行研究では高温下で磁石と還元剤と溶剤を溶融させ、レアアースを酸化物に濃縮、分離し、塩酸で溶解し、シュウ酸を加え高純度のレアアース酸化物を回収するプロセスを提案している。この乾式法は、煩雑なモーター処理、消磁、メッキ除去を行う必要がなく、酸の使用を低減できるため有望なリサイクル技術である。しかし溶剤として環境負荷物質B₂O₃を用いるため使用量を低減することが望まれている。本研究ではFeOを主溶剤とすることでB₂O₃を低減することを目指す。溶剤におけるB₂O₃を定量的に使用低減するために融点情報を含む鉄飽和Nd₂O₃-B₂O₃-FeO_x系状態図を作成し、状態図を用いたB₂O₃の低減率の定量法を提案する。L.K. Jakobssonらによって上記の3元系における各2酸化物間の状態図の調査がなされておりその状態図を発展させていくことで3元系の状態図を作成をし、理論と実験の両方の視点から研究を行う。その第一段階として鉄飽和下でのNd₂O₃－FeO_x系計算状態図と実験値の比較を行った。