環境（2）

[P-02] 促進的酸化分解処理後土壌の環境修復に向けた予察的検討

○原 淳子¹ (1. 産業技術総合研究所)

キーワード：環境修復、土壌、硫酸、硫黄サイクル

原位置で用いる化学的酸化分解法の一つとして、近年は多硫酸塩を用いた手法が実用化され、天然硫化鉱物による揮発性有機塩素系化合物やベンゼン環を有する油の浄化処理が完全分解まで可能であることが明らかとなり、これら硫化物の違いによるメカニズムの違いも確かめられている。しかし、硫化物を用いた酸化分解手法を浄化サイトに人為的に負荷した場合、環境中には硫黄成分が負荷されることになり、長期的に酸化環境が継続するのではないか、高濃度の硫化水素が発生するのではないかという懸念が残る。そこで本研究では、汚染物質の集積位置を想定して、難透水層を形成する泥質土と透水性の高い砂質土の2種のモデル土壌を用い、分解処理のために原位置に投入された硫化物に対する土壌緩衝力、一般的な脱硫剤を用いた場合の効果、浄化処理後に分解産物と生成されるシュウ酸、酢酸といった低分子有機酸を代謝物として活用する硫黄循環に関わる土壌環境中微生物を加味したモデルの構築により、効果的な環境修復の条件を検討した。